JICA民間連携事業JICA’s SME/SDG Business Support Program
2022.06 - 2023.06
プロジェクト名
ウズベキスタン国移動式小型全周囲カメラによる道路空間高精度3次元画像データ事業案件化調査
- ICT
- インフラ
- 維持管理
中央アジアに位置するウズベキスタンは、1991年8月31日にソビエト連邦から独立した面積447万km2、人口31百万人のカザフスタン、キルギス、タジキスタン、アフガニスタン、トルクメニスタンに囲まれた内陸国です。
国内の道路総延長は184千kmで、運輸省は国際道路、国道、地方道の42千kmを管轄しています。これまで道路、橋梁の幅員、現況写真、付属施設、損傷箇所、補修した履歴情報は紙の道路台帳で管理していました。道路台帳は毎年の維持管理予算の根拠となる重要なデータです。
2020年に道路維持管理のDX(デジタル・トランスフォーメーション)化に関する大統領令が公布され、2022年から電子化作業が開始されたが、現地を人力で調査しながら行っているため、進捗は年250km程度と遅い。
この道路台帳作成の手助けとして、IMS3(移動式3次元計測システム)が活用できるのではないかと調査を行った。
IMS3による画像解析計測
IMS3(移動式3次元計測システム)は、高精度GNSS(GPS GLONASS)、2台の全周囲カメラ、鉛直センサー、データ処理用PC等で構成され、飛行機の預け荷物としてウズベキスタンまで運搬でき、現地の車両に取り付けができる。
画像データは360°で撮影し、GISと連携して地図ソフトに反映できる。画像から寸法や面積が計測できる。例えば、画面上で舗装のひび割れ長さが測定でき、補修範囲の面積を割り出せることで、補修工事の発注に活用できる。
今回のプロジェクトにおいてIMS3を保有している日本の民間会社はウズベキスタン共和国の道路維持管理機関である道路研究所とMOUを締結しました。
ウズベキスタンは親日国です。これは第二次世界大戦後に捕虜となった日本人と、彼らが首都タシケントに建設したオペラハウス「ナボイ劇場」の存在があります。ナボイ劇場は1966年に発生した震度8の大地震でも無傷で、「シルクロードの日本人伝説」となりました。このように日本の先輩たちの功績とウズベキスタンの皆さまの期待に応えていきたい。
IMS3を搭載したシボレー(首都タシケントで撮影)
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